両親が来ていたのでせっかくなので日本にゆかりのある?デヴィ夫人の元邸宅だった軍事博物館を見に行きました。
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予備知識。インドネシアの軍事力
2018年では世界15位だそうで、カナダやイスラエルよりも、上です。ちなみに日本は8位。アジア圏ではもちろん、世界的にみてもかなり軍事力に力をいれていますよね。
軍事力指数 : 0.3266
人口 : 2億6058万739
兵員 : 97万5750
航空戦力 : 478
戦闘機 : 41
戦車 : 418
主要艦艇 : 221
軍事予算 : 69億ドル
料金は激安4,000rp!
料金は大人4,000rp 30円くらい。トリップアドバイザーをみたら50,000rp と書いている方もいたのですが、私達がいった平日水曜日は4,000rpでした。 50,000rp ?!って?!
さーっとみて回っても、一時間くらいはかかるのでコストパフォーマンスはかなりよいと思います。
チケットによると営業時間は9:00-15:30です。
展示内容
ミニチュアでインドネシアの戦争の歴史が説明されているので、インドネシアと英語がわからなくてもなんとなーく?わかります。
いや、嘘です。大体みんな戦ってるので英語の表記をみないとなんのための戦いかよくわかりません。インドネシアの歴史に少しだけでも読んで見てから訪れるとよいとおもいます。屋内展示物は、歴代偉人の肖像、昔の偉い人のデスクや椅子、武器、勲章などが飾られています。
ジュンバタンメラ(Jumbatan Merah)
第二次世界大戦直後、オランダに占領されていたインドネシアは独立戦争を起こしました。
その象徴的激戦地、スラバヤのジュンバタンメラ(Jumbatan Merah)の窓ガラスも展示されています。会社近くの赤坂にジュンバタンメラというインドネシア料理のレストランがあってどういう意味なんだろう?とずっと疑問だったのですが、インドネシアの独立と関係があったのですね。
インドネシアの戦士の誓いと、サプタマルガ
インドネシアの戦士の誓いと、サプタマルガが大きく書いてありました。サプタマルガはThe seven fold waysと英語では言うようです。インドネシア語の先生に聞いたら、saptaは7、margaはwayとか、family’s nameの意味があるそうです。
グーグル先生に手伝ってもらって日本語の内容を紹介します。
戦士の誓い
1.私は神に誓う。政府に忠実であり、国の法律やイデオロギーに服従する。
2.法律に従い、兵士の規律を守ります。
3.命令や決定を否定することなく、上司に従います。
4.軍とインドネシア共和国に全責任を負い、すべての義務を遂行します。
5.軍の秘密を可能な限り守ります。
サプタマルガ
- 私たちはパンチャシラ(Pancasila)に献身的なインドネシア共和国の市民です。
- 私たちはインドネシアの愛国者、責任ある、認識されていない(unrecognized state という意味がうまく訳せない…)国家イデオロギーの支持者、そして擁護者です。
- 私たちはインドネシアの騎士で、アラーを敬い、誠実、真実、正義を守ります。
- 私たちはインドネシア国軍兵士、国家のバヤンカリであり、インドネシア国民です。
- 私たちはインドネシアの陸軍兵士であり、規律、服従および服従指導者をしっかり守り、兵士の態度と名誉を守ります。
- 私たちはインドネシアの国軍兵士であり、任務遂行のプライドを優先し、常に国家と国家に献身する用意ができています。
- 私たちは忠実なインドネシア軍兵士であり、戦士の誓いを守ります。
パンチャシラとはインドネシアの建国5原則のとこで、スハルト体制時代は特にイデオロギーとして利用されたそう。また国章の鳥は、ガルーダパンチャシラと言うそうな。
Bhayangkari バヤンカリとは、正確な意味がよくわからなかったのですが、インドネシア舞踊でバヤンカリというとジョグジャカルタの戦士の躍りだそうです。
youtube にインドネシア軍の偉い人が暗唱している動画があったので上げときますね。(だれか見るのだろうか…)
このコーナーだけでもとてもインドネシアの歴史の勉強になりますね。沢山のスクールバスが来ていたので、子供たちはここでインドネシアの歴史を学ぶのだと思います。
勲章 コレクション

沢山勲章が付いた軍服…重そう。見ていたら昔やったゲーム、エースコンバット思い出しました。
兵器
武器は、竹槍から銃、マシンガン、魚雷、機雷、剣等がありました。
血がついたまま戦場からもってきたような汚い感じが凄くリアルで、戦争の恐ろしさを少しだけでも感じることができました。
銃は、アメリカ産、ロシア産、チェコスロバキア産、そしてインドネシア産があり、結構インドネシアでもしっかりした銃を生産しているんだなーと勉強になりました。
というかケースに入れられておらず、そのまま武器がドーンとあってめちゃくちゃ怖かったです。建物そのものも古くて薄暗いのでスピリチュアル系に敏感な人だったら悪酔いしそうな空間でした。
戦闘機
屋外には戦闘機や自動車が展示されておりました。
こちらはフォトジェニックで、かっこいーなーという感じでらさっとみることができました。
個人的に一番の恐怖ポイント
外にあったこちらの車、隣はキャデラックみたいな綺麗な外装の車で、手前も普通のワゴンぽい車に挟まれて、中央に窓もへったくれもない車があるんですけど、外からの攻撃を防ぎつつ殺傷能力高そう。
なんかオーストラリアでみた、走行中に飛び出してきたカンガルー殺すために車に着けるやつみたいなものに雰囲気がにてて、…もしやこれで人を…?とぞっとしました。
こういう無機質な感じの鉄の塊って機雷や魚雷と同じような恐怖を感じます。
実際のところは解説がないのでよくわかりません。屋外の展示は多少説明があるんですが経年劣化で文字がよく見えませんでした。
施設、衛生面
もとデヴィスカルノ夫人の邸宅だったということで、その面影に期待して見に行ったところもありましたが、全くありませんでした。中央の庭は、以前は手入れされて綺麗だったんだろうなぁという雰囲気ではありましたが、今は草が伸び放題です。
タイルがはげた通路を猫がうろうろ…
庭には、従業員が食べ捨てたっぽいランブータンの皮と種が点々と落ちてました。食べたら片付けようよ。
トイレも現地式の紙の無いトイレなので、緊急時以外は他の施設で済ませましょう!
ユニバーサルデザインではない
段差や階段が多く、屋外を歩いたりするので、ベビーカーや車いすで見るのは大変だと思います。
感想
戦争に関わる博物館は日本だと知覧の特攻隊記念館にいったことしかないのですが、あそことは全然違いました。知覧博物館は涙なしでは見ることが出来なくて、もう戦争なんてしないぞ!という感じなのですが、こちらの博物館はインドネシアは自分たちの血と汗で勝ち取ったんだぞ!という勇ましい感じが伝わってきました。インドネシアはまだ独立して間もない、エネルギーにあふれた国だなぁと、軍事博物館を見学してきて思いました。しかしそれでも兵器は怖いです。
今回は両親と一緒で、彼らは英語も分からないので、インドネシアに馴染みの無い人の観光にはあまりお勧めはしませんが、ショッピングモールしか行くところが無くて退屈だよ~と思っている方にはお勧めしたいです。